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九州白蟻王国

白蟻の被害 研究のきっかけ

私どもウッディ工房では、木造建築物を造る側の視点で、より詳しく、白蟻を知ることができないかとの発想から、実際に「白蟻を飼う」ことにしました。こちら側が知りたかったこと、白蟻の生態を理解した上で、設計・施工段階で具体的にどう防蟻すべきかを確立するために、実験・観察することにしました。

私ども木造建築物に携わる者の指名として「丈夫」で「末永く」、「安心」して住んでいただける住宅をご提供するにも、生の”白蟻の生態”を知る必要があったのです。

白蟻の巣(左画像)から、お分かりいただけますように、浴室のような湿気が多く、温度の上がるところを白蟻は好みます。

また、この家屋の場合、浴室であるばかりでなく風通しが悪く、基礎の下はコンクリートではなく土でした。最も白蟻が好む条件が整っていたことになります。

材料としては、パイン(松)や栂(とが)を使用していました。それからすると、白蟻はパインや栂を好んで食べるのではないかと推測できます。

テーマの設定と実験

白蟻の研究 白蟻を飼うにあたり、以下のテーマと課題で実験・観察をしました。

【テーマ】
構造材を主体に実験し木造建築に活かす!

【課題】
白蟻が「好きな」・「嫌いな」樹種とは何か?
白蟻が「好きな」・「嫌いな」木の部位はどこか?
白蟻が「好きな」・「嫌いな」木の産地はどこか?(外材それとも国産材?)

【方法】
『九州白蟻王国』として、一般の水槽に土と食材(木)を与え白蟻を飼い始める。王国全体を覆うための木箱を作り、その中に王国を入れる。(光・風・湿度コントロールができるよう配慮)

実験結果

白蟻の巣(左画像)から、お分かりいただけますように、浴室のような湿気が多く、温度の上がるところを白蟻は好みます。

また、この家屋の場合、浴室であるばかりでなく風通しが悪く、基礎の下はコンクリートではなく土でした。最も白蟻が好む条件が整っていたことになります。

材料としては、パイン(松)や栂(とが)を使用していました。それからすると、白蟻はパインや栂を好んで食べるのではないかと推測できます。

<国産杉の部位別食害の実態>
また、左写真の通り、国産杉の部位別食害の実態からは、年輪の中心周辺の赤みが強く、硬い部分は白蟻は好まないことが分かった。

白蟻の研究で分かったこと

条件 好き 嫌い 結論
樹種 パイン(松) サイプレス・杉 サイプレスや杉が良い
部位 白身 赤身 赤身が良い
産地 外国産 国内産 国内産が良い

シロアリ対策には杉の赤身心材

白蟻の対策 実験結果を踏まえたウッディ工房の結論と対策。

北欧や北米などの寒冷地帯で育った樹木は、腐食菌やカビなどに弱く、(もともとそうした菌が生息しないため)また、白蟻など生息していないので、免疫力もありません。

上記の当社独自の白蟻の実験・観察による結果からも、構造材として、九州の気候風土に対して適しているのは、やはり、同じ環境でっ育った地産材(国産材)であると確信いたしました。そして、さらに、防蟻として適しているのは、杉の赤身心材です。

以上のことから、ウッディ工房で使う素材は

1.地元で育った、杉材を主体に使用しています。

2.また、杉でも、赤身心持ち材を使用しています。

私どものキャッチフレーズである『地産地消の家づくり』は、ここからもきています。そしてさらにより良い方法を求め、「人」に「地球」にやさしく、丈夫で、末永く安心して住んでいただける家づくりの追求・実践を続けてまいります。